うわあ、キレイな花が咲いてるよ、
オレンジ色のキレイな唐綿(とうわた)の花が咲いていた。
サーッと風が吹くと、
白いマントを着けたようなタネがフワフワーって飛んでいった。
なんかキレイでカワイイ幼虫もいるよ、アハハハ!
※見た目は怖いかもしれないけど毒はなく触っても大丈夫。
GW(ゴールデンウィーク)の初日、とある公園での会話である。ほのぼのしているでしょう?ほほえましい様子が想像できるでしょう?訪れてすぐ、風が吹くとタンポポのように飛んでいく白いタネを発見し、まるで草花がようこそ!いらっしゃい!メンソーレー!と出迎えているかのように感じられた。
が、それは間違い、というか勘違いだった。
「キャーッ!ギャ~!うわーっ!うへぇ~!」
大人子どもが入り混じった悲鳴が響き渡った。近くを歩いていた野良犬?(首輪つけてるけど飼い主いない)がビクッとするほどだった。その犬は、上も下も横も周囲を指さしながらパニクる人間を不思議そうに眺めていた。
その人間とは、自分たちのことである。
混雑するであろう施設、人混みであろう行楽地を避けて、あえて地元の公園でのんびり過ごそうとした矢先の、しかも大型連休初日の出来事だった。
これはもう悲劇だった。おやつ、弁当、フリスビーや縄跳び、シャボン玉、野球ボール、サッカーボール、あらゆる遊び道具を持参して、一日をそこで過ごそうとしていた予定がいきなり総崩れした。
葉が生い茂ってできた木陰にレジャーシートを広げて、荷物を置いて遊ぼうとした矢先、目の前に奴らは現れた。
一人がなにか異変に気づいた。
「ん?」
しゃがみこんで確かめてみる。
「んん?」
「キャーッ!ギャ~!うわーっ!うへぇ~!」
足元におどろおどろしい毛虫を発見!みんな飛び上がって悲鳴を上げた(笑)
横を見ると、
ここにも!
上を見ると、そこにも!
目の前にも!
頭上にも、目の前にも、足元にも、毛虫だらけ(笑)!木肌ソックリで危うく触れそうだった、コンクリートにも似ているし、恐怖で座れない(笑)!
すぐに写真を撮って検索すると、正体が判明した。
奴らの名は、ヤマンギ!
接写撮影した顔を見てよ、こわっ!この生き物、なんと離島では毒蛇ハブよりも恐れられているというではないか!
石垣島 これだけは知っておこう 山の危険生物 ヤマンギ ハブ サソリ ムカデhttp://www.ishigakijimaumibe.com/asobi/kikensin/kikensin.htm
大型の毛虫クヌギカレハの幼虫は、地元ではヤマンギと呼ばれハブよりも怖がられています。体長12cmぐらいありますが、よく木の幹にいて非常にわかりずらく、山を登るときなど触れてしまいます。毒針はささると激痛があり、その後は数週間痒みがあるそうです。発熱する場合もあります。
成虫はこれかな
しかもね、見た目に似合わず素早い(笑)
「キャーッ!ギャ~!うわーっ!うへぇ~!」
怖いのは見た目だけじゃなく、毒まで持ってるとは!まるで怪獣?妖怪?どうみても正義じゃない、悪の組織に属してそうな生き物じゃないか(失礼)!
普通さ、毒持ってるなら自分からアピールするじゃん?主張するじゃん?ボクは毒がある危険な生き物だよ、近づいちゃダメだよ、だからほら、毒々しい色してるでしょ?って。それが灰色で木の肌ソックリに擬態するとか、忍者の隠れみの術みたいで反則じゃない(笑)?イヤイヤイヤイヤ、危ないよ!コッチ来んなよ!って教えてくれよ(笑)
毒気虫の大群に包囲された恐怖でガクガクブルブルと震える自分たちは、遊ぶことを忘れ、とにかく誤って触れないよう、刺されないように周囲をキョロキョロと見回して安全を確保した。
春の季節、沖縄で大量発生することがある有毒の毛虫ヤマンギはハブ以上に恐れられる地域もある生き物!?
絶対に触ったやいけないというのが本能で分かる外見してる(笑)
近づいてみると、悪魔みたいに見えてきた(笑)
こんなのが地面にも樹上にも手すりにも椅子にも歩いてる(笑)
手を身体に引き寄せて震える自分たちと真逆に、悠々と歩くヤマンギたち
どっちが頭でどっちがお尻かわかんない、とかどうでもよくて、ギリギリまで近づいてみると、
イヤー(笑)
食う?キミたち、もしかしてヒトを食う?(※食わない)
ねえ、もしかして怒ってる?キミたちの縄張りに入っちゃって激おこ?(※不明)
うん、ハブより恐れられるの分かる気がする(笑)
毒毛虫のヤマンギにご機嫌をとっていると、なにやら視線を感じて足元を見ると、あれれ?なんか可愛らしいニコちゃんマークみたいな顔した生き物がこっちを見てるよ、
しゃがみ込んで見てみると、
「キャーッ!ギャ~!うわーっ!うへぇ~!」
こっちもトゲトゲの毒毛虫(笑)
そして素早い(笑)
視線を上げると、
奇跡のマイマイガとヤマンギのツーショット(笑)!
上を見ると別の個体がーっ!
後ろを振り返ると別の毛虫がーっ!
前門の虎、後門の狼っていうか、四方を毒毛虫に囲まれた袋のネズミーっ!
どうしよう、どうしようと焦っていたら、奇妙な物体を発見!なに?なにこれーっ!
「それはな、まゆじゃよ」(※多分)
これから成虫になるために我々が必死に編んで作っているのだよ、
こうやってね、
ウンショ、ウンショ
そして出来上がったのが↑ね。
「キャーッ!ギャ~!うわーっ!うへぇ~!」
遠足・ピクニックで公園や草原を訪れる場合、まずゆっくりと周辺を観察してみよう、よそ者は我々人間のほうかもしれないのだから。
さて、招かれざる客と理解した自分たちは、レジャーシートも遊び道具も片付けて別の場所を探すことにした・・・というか家に帰って室内で遊ぶことにした(笑)
※地元では毛虫が大発生すると有名な場所で、自分たちよそ者が知らなかっただけなのだった。沖縄県では毛虫以外にもハブ、蜂など危険生物が活動する時期なので注意しよう。