それは突然訪れた。
体の毛をプチップチッと抜いていた時だった。
急に手から反発力が消え、
フニャッ
という感触が伝わってきた次の瞬間、
コロンッ
って。
毛抜きが、折れてしまった・・・
学生時代から使っていた毛抜きピンセットが、ついに真っ二つに割れてしまった・・・
あまりにも突然過ぎて驚きの声も出なかった。
ただ、頭のなかに”!?”という記号が浮かんだだけだった。
まさかの半分からキレイに真っ二つ・・・
というか、
毛抜きって折れるんだ、一生モノだと考えていた
からショックだった。
何も考えられなくなった自分は、無言で割れた毛抜きを重ね合わせていた。
これこそが本来の姿。
しかし、しばらくするとズレてしまい、
再び、コロンッと割れてしまう・・・
呆然と目の前の毛抜きを見つめていたら、初めて出会ったことの思い出が蘇ってきた。
この毛抜きに初めて出会ったのは、たしか中学時代だった。
人生の半分以上を共に過ごした”毛抜き”に別れを告げ、新たなパートナーを得た未来はきっと明るく輝くはず!?
琉球古民家に住んでいたクラスメイトの友人宅で遊んでいた時、
アガッ!
柱に触れた時だったかな、指に棘が刺さった。
それを見ていた友人は、机の引き出しから写真の毛抜きを取り出して自分に渡してくれた。
刺さった棘をなんとか取ろうとしたが、取れなかった。
友人は言った。
「それあげるから家帰ってから取れ(笑)」
そう、毛抜きは買ったのではなく貰い物だったのだ。
よくいうじゃないか、自分で買ったものよりも貰い物のほうが愛着が湧いて大事にするって、たとえ毛抜きでもそうだった。
その友人とは疎遠になってからも、毛抜きはほぼ毎日、何千日と自分の体毛を抜いてくれた。
もう人生の半分以上を一緒に過ごしている(笑)
まあ、抜いたのは主に髭(ヒゲ)なんだが。
折れた毛抜きをボーッと眺め、しばらくして、友人のことが気になった。
まさか、彼の身になにか起きたのだろうか、と。
いや、もしかして毛抜きが折れたことによって危険を回避できたのかもしれない、命の危険を肩代わりしたのかもしれない、と。
後日、その友人とは近所のサンエーでバッタリ遭遇した(つまり無事だった)、けれどお互い気がついたけど挨拶も交わさず買い物を終えたのは、中学時代の友人あるある、じゃないか(笑)?
ただ、この毛抜きはそんじょそこらの毛抜きと一緒にしてもうと困る。
なぜかというと、自分を人間に戻してくれたからだ。
原始人から現代人に進化させてくれる非常に有り難い、大事な役目を担った毛抜きだった。
というのも、自分は自他共に認める毛深い体質で、そうであるがゆえにヒゲ剃りを怠ると
キアヌ・リーブスと対等の戦いができるほど無精髭が生えてしまう。
しかし、自分にキアヌ・リーブスと同等クラスの無精髭が生えると、キアヌ・リーブスからは程遠いような人生の脱落者にしか見えなくなってしまう。
人生との戦いを諦めた負け犬っぷり(笑)!
そんな自分の姿を鏡で見ると、もういい、どうにでもなれ!となり、ヒゲ剃りを怠り続けるとどうなるのか、想像できないだろうが1ヶ月もして外を歩くと、自ら職務質問を求めるような外見になってしまう。
想像力が欠如した方にイラストでイメージしてもらおうか、
※ちなみにページ内のイラストは全てイラスト屋さんの素材である。
ボーボーである。
ボーボーオジサンの誕生だ。
原始人だ!
こうなると人種や国籍は関係なく、そして名前すら無意味になる。
だからといってハゲるのは怖い。ん?そういえばどんなに禿げていてもヒゲまでハゲた人を見たことがないな。今まで何千日も何千本もヒゲを抜いてきたが、どんなに抜いても生えてくるヒゲの逞しさは雑草も顔負けだろう。もし自分がハゲるなら頭髪じゃなくヒゲがハゲて欲しいな(笑)。
ええと、なんの話だっけ、そうヒゲ剃りだ、自分はヒゲが濃い、だから、ヒゲ剃りは欠かせないんだが、ヒゲは濃いくせに敏感肌という神様のイジワルとしか思えない体質であるために、
ヒゲ剃り負けを起こしてしまう。
T字カミソリでも、電動シェーバーでも剃った後は肌がチクチクする。
そんな自分にとって毛抜きは必需品だった。
どうしたのかというと、抜きつつ剃る、剃りつつ抜く、という人類史上ぜったいに100人未満の人数しかやったことがないであろうヒゲ処理を体得したのだ。
※このやり方については、どうにか金儲けができないか模索しているので詳しくは教えない(笑)
”抜く”と”剃る”を極めた自分は、可能な限りのヒゲ肌からの脱却を可能にし、その涙ぐましい努力の末、ついに数日間限定のツルツル肌を手に入れることに成功した。
それも、あの毛抜きがあったからこそだ。
だが、今はもうあの毛抜きはいない。
割れた、折れた毛抜きは毛抜きじゃない、もうなんの役にも立たない元・毛抜きでしかない。
サヨウナラ、名も無き毛抜きよ
そして別れを惜しみながらも、新たな毛抜きを買いに行った。
というわけで新たに得た人生の友を紹介しよう!
貝印(KAI)のキャッチャー毛抜き(先斜) !
「革命 キャッチャー毛抜き 先斜」は、眉の形を美しく整えたり、ムダ毛の除去に役立つ毛抜きです。開かない先端、横ずれと先端の開きを防ぐストッパーにより、しっかり毛をキャッチして抜くことができます。やわらかくソフトな使い心地です。
価格は約1000円。他にも毛抜きはあったが、なぜこの毛抜きにしたのか、商品棚には試し抜きできるようなサンプルはなかったのでキャッチ具合は分からないが、革命の二文字に心惹かれた。
ズバッ!と抜ける!?
毛を抜くのにズバッ!を使う自信、これはぜひとも手に欲しい!と思わせた戦略にまんまとハマった。
開かない先端、ズレ防止の工夫、以前の毛抜きにはなかった機能が盛り沢山だ!
貝印(KAI)という安心のブランドも購入の決め手になったのだ。
握り心地、掴み心地は以前の毛抜きにはないシックリ感が伝わってきた。
横ズレと先端の開きを防ぐストッパーも付いた機能的な毛抜きツイーザー、自分が知らない間に毛抜きは進化していたのだ!
先斜で開かない先端で体毛をガッチリ掴んで離さない!自分だってもうお前(毛抜き)を離さないぞ!
包丁・鍋などのキッチン用品、製菓用品、カミソリやビューティーケアツールなどの美容用品を取り扱う企業なので、以前使っていたノーブランド?の毛抜きでは抜けなかった頑固な毛も引っこ抜けそうだ(笑)
貝印 貝印 革命 キャッチャー毛抜き 先斜
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「革命 キャッチャー毛抜き 先斜」は、眉の形を美しく整えたり、ムダ毛の除去に役立つ毛抜きです。開かない先端、横ずれと先端の開きを防ぐストッパーにより、しっかり毛をキャッチして抜くことができます。やわらかくソフトな使い心地です。
さて、まず最初はどこの毛から抜こうかな(笑)