[※関連記事]
ビーチコーミングは違法?海岸や砂浜に波で打ち上げられる漂着物や植物の種、貝殻を拾う行為は法律違反?犯罪?担当者に電話して聞いてみた(※沖縄県の海岸管理者)
沖縄の海岸で採取禁止なのはサンゴだけじゃない!割れたガラス片のビーチグラス・シーグラスも同じ扱いですよ!
たまーにフラッと訪れる地元の海があるんだけど、つい先日このような会話をする観光客らしき親子連れを見かけた。
「うわー見て、いっぱいヤドカリが歩いてるよ、カワイイなー。ねえ袋ある?連れて帰って飼おうよ」
みたいにハシャギながら楽しそうにヤドカリを捕まえていた。
よくある光景だよね、分かる、分かるよその気持ち。
だって、だってさ、ヤドカリって・・・
カワイイもんね(笑)。
って、ん?・・・イラストは反則だって?え?イラストならなんでも可愛く見える?
それじゃあ、動画を見てごらんよ。
YOUTUBE動画 ヤドカリの歩く姿がかわいい
ほら、カワイイ(笑)
あの親子連れもきっとキュンキュンしながら捕まえていたんだろうね~\(^o^)/
でもちょっと待って。
もしかするとそれ、
”文化財保護法に触れる行為”
かもしれないよ?って知ったら冷や汗かかない?
実は自分もつい最近知ったんだけど、沖縄の海岸・浜辺で普通に歩いてるヤドカリいるよね?
あれ、国指定天然記念物オカヤドカリという種類かもしれないんだって(汗)。
国の許可を受けた者以外が採取すると、文化財保護法に触れる行為として罰せられるんだって(汗)。
へー・・・知らなかった^^;
当のヤドカリは知ってるんだろうか、聞いてみた。
「へ?自分たちって国指定天然記念物だったの!?ちょっとビックリ、でもなんか嫌な気分じゃないよね、選ばれたっつうの?ただ懸命に生きてるだけなんだけど、それが認められた?っつうか、エヘヘ」
ってのは冗談だけど、
「オイちょっと待て!このページの写真のヤドカリこそオカヤドカリじゃねえのか?どうなってんだブログ書いてる人さんよ(怒)!罰金じゃー!逮捕じゃー!!!!」
と怒らないで!話を聞いて!あのね、たしかに写真のヤドカリは手で持って撮影してるんだけど、実はね、家の庭にいるんだよね、オカヤドカリが・・・(汗)。
身近な環境に住んでいたヤドカリの正体が実は国指定天然記念物オカヤドカリだった!?
写真のヤドカリ、恐らくオカヤドカリなんだろうけど、実は爺ちゃん家の庭にいるのを撮影してるんだよね、うん、庭(笑)。だから撮影後は目の前の庭に帰した。
家の裏が海で、庭と隔てるコンクリートの下が割れててさ、ヤドカリが行き来しててさ、だから窓を開けてる部屋で寝てると波の音と、庭を歩くヤドカリの足音が聞こえる(笑)。最高の自然・天然のBGMじゃない?台風接近時は地獄だけど(笑)。
だから自分にとっては小さい頃から身近にいたから全然興味なかった。さすがに食べはしないけど、飼うような生き物じゃない。
というか、釣り好きのウチナンチュなら知ってる人も多いと思うんだけど、自分が小さい頃にオジー(お爺ちゃん)の釣りに付いて行った時にヤドカリを餌にしてたような記憶が(汗)。
貝からニュイッ!って出して釣り針に取り付けて海に投げ込んでたような・・・まあ、今はやってないんだけどさ。
それがまさか国指定天然記念物だったなんて・・・
天然記念物「島外持ち出し防止を」 市教委が関係機関に要請
八重山毎日新聞社 2008年06月27日
これに対し航空関係者から「観光客が子どもへの土産としてヤドカリを持ち帰ろうとしたのを回収したことが何度かある」として適切な対処方法を聞いたのに対し文化課は「ヤドカリは全面的に採取が禁止されている」として、回収後、文化課への連絡を求めた。
https://www.y-mainichi.co.jp/news/11376
まさか売買されうような生き物だったなんて。というかさ、オカヤドカリってどこを見れば分かるの?
[質問]海のヤドカリと、おかヤドカリの見分け方。
[回答]オカヤドカリと海ヤドカリを見分ける一番のポイントは、眼だと思います。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1289090952
目で見分ける、とあるけれど文字じゃ分かんないのでYOUTUBE動画をポチッと。
オカヤドカリとホンヤドカリ – Coenobitdae and Paguridae
これは分かりやすい。そして写真のヤドカリはほぼ間違いなくオカヤドカリだろうね。とその時に思いついた、これは県に問い合わせて聞いてみようって(笑)。
ビーチグラスで相談した時↓と同じように水管理・国土保全局所管:海岸防災課(098-866-2410)へ電話してみた。
沖縄の海岸で採取禁止なのはサンゴだけじゃない!割れたガラス片のビーチグラス・シーグラスも同じ扱いですよ!
※電話する様子をジーっと見つめるヤドカリ。
プルルル、プルルル、ガチャ。
「あのー、ちょっとお聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか。」
「沖縄県の海岸・浜辺ビーチではサンゴの採取、ビーチグラス・シーグラスの採取は禁止されている、いえ禁じられていて管理者の許可が必要だと聞いたのですが(というか以前に電話して自分で聞いてるが)、ヤドカリいますよね、あのヤドカリはどうなんでしょうか?」
「つまり持ち帰ってペットとして飼うとか、業者が販売目的で採取するという行為は違法で罰せられたりするんでしょうか、例えば沖縄県のホームページに載ってるような造礁サンゴは採っても売ってもダメで、罰金200万円もしくは懲役をくらったりとかするんでしょうか」
すると、電話に出た担当者はそんな問い合わせ初めてだ!?みたいな様子になって、
「えー調べてみますので少々お待ちいただけますか?」
と待つこと数分・・・
「沖縄のヤドカリにはオカヤドカリという国指定天然記念物がいて、その個体を採取することは文化保護法に触れる行為となります。」
と、予想された回答だった。
電話口の人もあまり詳しくはないようで、質問すると上述した内容が返ってきた。
なので個人的な印象というか感触では、ダメダメ度を順位付けすると、
サンゴ採取 > ヤドカリ採取 > ビーチグラス採取
という順番なのかな、ってなんだこりゃ(笑)。
とにかく、沖縄に住んでる生き物は寒さに弱くて冬を越せないよ、その場で観察して帰すのが一番いいのだねってことがわかった。
オカヤドカリの取扱については沖縄県のホームページにも載っていたので引用する。
県民ご意見箱 > 自然・環境について
3.について(文化課)
───────────────────────────────
当課が所管する天然記念物オカヤドカリに関係するご質問について、下記のとおり回答します。
(1)当該業者は、文化財保護法(昭和25年5月30日法律第214号)に基づく許可を得て採取されたオカヤドカリ類を販売しており、違法ではありません。
(2)オカヤドカリ類は、和歌山県以南の海岸域に自然に分布しています。自然の分布域よりも北の地域では、冬を越すことが出来ないため、生態系を攪乱する可能性は小さいものと思われます。
(3)温湿度等の環境条件を適切に保った上で、飼育することは可能と考えられます。野外においては、自然の分布域よりも北の地域では、冬を越すことは出来ないと思われます。
https://www.pref.okinawa.jp/kouhou/ikenbako/sizen.htm
寒さに弱く冬を越せないから本土に持ち帰っても飼えないそうだ。そもそも飛行機に持ち込めないという記事もあったけど、ANAのサイトではヤドカリの記述は見つけられなかった。
- ANA:【国内線】昆虫や水中(水辺)に住む小動物などは機内に持ち込めますか。https://contact-jp.ana.co.jp/app/answers/detail/a_id/584/kw/%E6%98%86%E8%99%AB
- ANA:ペットをお連れのお客様 [国内線]
https://www.ana.co.jp/serviceinfo/domestic/support/pets/index.html
Q: 天然記念物オカヤドカリを国外へ輸出するには、なんらかの報告を県教育庁にすることになっていないか。釣り餌として釣具店へ卸すことは、止めさせることはできないか。今後働き掛ける意志予定はあるか。
回答: 教育庁文化課 平成18年5月10日───────────────────────────────
国指定天然記念物オカヤドカリ類は、我が国では東京都の小笠原諸島及び和歌山県以南に分布しています。オカヤドカリの現状変更については、文化財保護法により制限されていますが、国の許可を受けた業者が採取した個体の商取引については、文化財保護法に基づく手続きは要しないと考えられます。
ただし、当該個体が国の許可を受けた者以外が採取したものである場合は、採取した行為自体が文化財保護法に触れると考えられ、採取の情報を得た都道府県教育委員会は、必要に応じて警察への情報提供や指導を行うことになります。
国の許可を得た業者が採取した個体の商取引については、文化財保護法に基づく手続きは要しないものと考えられます。沖縄県教育委員会としては、採取量自体を減らすように、業者に対してお願いしてきたところであり、今後もそのように働きかけていきたいと考えます。
https://www.pref.okinawa.jp/kouhou/ikenbako/sizen.htm
採取許可業者からなら購入できるようだ。
海水魚ショップ やどかり屋
オカヤドカリは天然記念物です。飼育できる天然記念物です。
https://yadokariya.jp/html/page19.html
ウィキペディアにも載ってるね。
オカヤドカリ
- オカヤドカリ(陸宿借、陸寄居虫)は、熱帯域に広く分布するヤドカリの仲間で、和名の通り成体が海岸付近の陸上部で生活する。
- 日本に生息するオカヤドカリ全種が、国の天然記念物に指定されている。
- オカヤドカリは熱帯の気候に適応した生き物で、冬場に気温が下がる地域では生存できない。気温が15度を下回ると活動が鈍り冬眠状態に陥るが、この状態が長く続くとオカヤドカリは死んでしまう。
- 成体は海岸に打ち上げられた魚介類の肉や植物(アダンの実等)など幅広い種類の食物を取る雑食性であるが、比較的菜食を好む。一度に摂食する量は少ない。
- 沖縄県や太平洋諸島の島々では釣り餌として利用されるほか、トケラウ諸島では食物としても利用される。また、後述の通りペットとしても利用される。
- まれに沖縄県や小笠原諸島などを訪れた旅行者が砂浜からオカヤドカリを直接採取してしまうことがあるが、これは法律(文化財保護法)に反する行為となる。
Wikipedia https://goo.gl/vwGLus
あと米軍基地関連でもヤドカリは影響を受けてるんですねえ。
辺野古で天然記念物のヤドカリ移動を申請 防衛局、本格着工に向け
沖縄タイムス 2015年10月15日
名護市辺野古の新基地建設に向けた埋め立て工事で、沖縄防衛局が沖縄県教育庁文化財課に、文化財保護法に基づいて天然記念物「オカヤドカリ」の捕獲に伴う許可申請を9月に提出していたことが14日、分かった。本体工事の本格的な着手までに必要な許可で、許可権限がある文化庁に対し、窓口の教育庁は意見を付した上で書類を送らなければならない。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/19792
ヤドカリの苦難はこれからもしばらくは続きそう・・・
ということで、持って帰るならヤドカリじゃなくゴミを持って帰ってくださいー(笑)