今の時期、沖縄県内の各家庭からは独特の香りが漂ってくる。その正体は、ゲットー(月桃)である。
なんて言えばいいのか、どう表現したらあの厳かなニオイを例えられるだろうか、そうか、ムーチーだ!2018年1月24日(水曜日)は旧暦12月8日ムーチー(鬼餅)なのである。
では、ムーチーとは何ぞや?
旧暦12月8日はムーチーの日。
ムーチーとは、月桃(サンニン)やクバ(ビロウ)の葉に包んで蒸した餅のこと。
それを仏壇や火の神様に供えて悪鬼払いや家族の健康を祈願する日。
特に子どもが生まれたご家庭では、初(ハツ)ムーチーといい、たくさんのムーチーを作り親戚やご近所など、お世話になった方々へご挨拶をかねて配る。
※ムーチーミックス裏面より
なるほど!って、2016年にも家庭で作った記事を書いてたな。
ムーチーは食べること以上に作る作業を含めての行事なんだな、って作って初めて理解できるんだよね。
だから新聞の折り込み広告チラシにもムーチー作りの材料が載せられる。
というのは多分建前で、本音は・・・ムーチーって買うと高いんだよね(汗)。
でも自分で作ってみるとなぜ高いのかが分かるんだよね、でも一度は作って欲しいんだよね、どうせ作るならチャレンジもしてみたいよね、ってことで・・・新たなムーチー作りに挑戦してみた記録をぜひ見てくれ。
ムーチーを作ってみよう!沖縄の一般家庭で作られる鬼餅レシピは材料の指示に従うことで失敗を避けられるぞ!
まずは定番の黒糖と紅芋から。
ムーチーは買わずに作ろう!と材料を買ってきた帰りに判明したんだんだが、いつも月桃の葉を調達していた場所が刈られていたので、無料なはずの葉まで買うことに(汗)。
※葉は知人宅で譲ってもらっていた。道端の葉は衛生的に不安だし、山は蜂とか蛇とか危険だし。
「高っ!ムーチーの葉、いや月桃って買うとこんな高いのか(汗)!?」
(一部の)沖縄県民の感覚では雑草に近い月桃を手に入れるためにお金を払うと、ビックリする(笑)
来年は材料の調達費を月桃の葉を売って賄おうかな(笑)。
ではでは、買ってきた材料は沖縄製粉のムーチーミックス(黒糖と紅芋)。
水を加えて混ぜるだけでムーチーの生地が作れる便利な商品。
なんと他の餅菓子も作れるそうな。次は人間の代わりに混ぜ合わせてくれる機械のレンタルや出張サービスとかあったらいいなあ(笑)。
じゃ、早速作ってみよう!
加える水は指定された分量を守るように、加え方も少しずつという指示に従うようにしよう。
あ、事前に誰かの耳たぶをモミモミ、モフモフ、ハフハフ、フーフーして置くように。生地の仕上がりの硬さ目安になるからね。
※自分の耳でもいいけど、他人の耳のほうが感触が手に残りやすいよ(笑)
水は一気に加えるんじゃなく少しずつね、そうすれば美味しく仕上がる。
※写真で手袋を着用しているのは、前日に段差など何もない道で転んで手にかすり傷を負ったからってのはここだけの秘密(笑)。なんで転んだのかは未だに不明。
あー!ほら、水なんか適当に加えりゃいいだろ!って思ったアナタ、ダメだよ、自分みたいに目分量で作ると・・・ほらね、↓のように柔らかすぎる生地になってしまう。
※レシピには「耳たぶの硬さになるように」ってあるけど、まるでプリンのようにプルプル。
材料を使い切ったので失敗を嘆いても遅い。
でも大丈夫、紅芋は分量を守って耳たぶの硬さになった\(^o^)/。
ここから月桃の葉に包むんだけど、その際に手にサラダ油をなじませると作りやすいよ。
耳たぶより柔らかい生地は丸めにくかった(汗)。
生地を包んでいたら新たなトラブル発生!なんと、ムーチーの生地に対して月桃の葉が足りない(涙)!
これは、月桃の葉が予想以上に高くてケチって買う枚数を抑えたことによる悲劇である。みなさんはケチらず多めに買っておくようにすること。そうしないとね、、、
ムーチーがパンパン(笑)!
少ない月桃の葉で作り終えようとしたら、一般的なムーチーの倍以上の太っちょムーチーに包んでしまった。これは嫌な予感しかしないが、もう後戻りはできない。。。
最後の工程である月桃の葉で包んだムーチーを蒸し器で蒸す作業が一番時間がかかる!
蒸し器に水を入れ、グツグツ沸騰させて湯気が上がったらムーチーを蒸す作業スタート!
レシピには蒸す時間は20分から25分とあるけど、自分のように包みすぎると倍の時間を蒸さないといけない。
ためしに25分で取り出してみると、、、中まで熱が届いておらず生焼け?生煮え?これじゃあ悪鬼は逃げてくれない。
蒸し器に戻してひたすら待つ。
と、ここでオトクな情報!
ムーチーは作りたいけど蒸し器を持ってないよ!という場合、知らない人も多いだろうが(自分もその一人だった)、なんとムーチーは電子レンジでも作れる(笑)!
≪電子レンジ調理方法≫
(1)パッケージ裏面通りに生地をつくり、60gに分けて丸め、小判形に整えます。
(2)生地全体をたっぷり水に浸し、皿にのせ、ラップをゆるくかけます。
※月桃の葉があれば、水に浸した後、葉で包み、皿にのせラップをゆるくかけます。(3)電子レンジで加熱します(500Wで1分)。
※加熱が足りない場合、様子を見ながら10秒ずつ追加で加熱。
※同時に2個加熱する場合、500Wで2分。
3個以上の同時調理は加熱ムラが出るのでおすすめできません。(4)やけどしないよう注意し、レンジから取り出します。
※蒸して調理したものに比べ、冷めると硬くなりやすいので、お早めにお召し上がりください。
少量だけ作って食べてみたいって時は電子レンジを使ってもいいと思うよ。
伝統のレシピに風穴を開けろ!?新たな材料でココア味、黒ゴマ、スキムミルクでムーチーを作ってみた!?
蒸し時間を調整したらなんとか黒糖も紅芋も食べられる仕上がりになった。
ということで、今回のメインである新たな材料でのムーチー作りに取り掛かろう。
黒ゴマ黒糖黒豆きなこ、バンホーテンココア、スキムミルク、かぼちゃパウダー。きな粉は意外と使ってる人いるだろうけど、黒ごまは初めてじゃないかと。あとココアが成功すればチョコもいけるだろうし、かぼちゃが成功すれば人参やヨモギも想像できるよね。
え?この材料を使うことが葉が足りない原因じゃないの?って、さすがみなさん鋭いね~(笑)。
もち粉とバンホーテンココア(パウダー)を混ぜ合わせる。
見た目は粘土みたいだが、ココアの香りがするたしかなムーチーの生地である。
黒ゴマ・黒糖・黒豆きなこ生地。
かぼちゃパウダーで黄色いムーチーを作ってみる。
混ぜ終えたら月桃の葉に丸めて包んでいく。
どんな仕上がりになるんだろうワクワク・ドキドキ。
唯一!?ココアだけは想像がつくよね。
最後の蒸す作業スタート!
ちなみに、蒸し器に残った月桃の葉エキス?は木酢液みたいに虫よけスプレーに使ったりしてる。
さあ蒸し上がったぞ、とフタを開けてみると、
ドーン!
なんじゃこりゃ~(笑)!なんちゅうハプニング!ムーチーが大暴走!月桃の葉がパンクして中身が溢れ出してる!いや、これなら悪鬼も驚いてε=ε=ヽ(○´Д`)ノギャ~!と逃げるだろう(笑)!
このブログ記事を参考にして同じ轍を踏まないようにして欲しい。
でもね、肝心なのは見た目じゃなく味。
ってオイ!見た目も重要だろ(笑)
左から黒ゴマきなこ、かぼちゃ、ココア、スキムミルク。
試食してみよう。
モグモグ。
モグモグ。
モグモグ。
モグモグ。
さあ、ココア、黒ゴマきなこ、かぼちゃ、スキムミルクの中でどれが一番美味しかったと思う?不味かったと思う?
答えは・・・
どれもが可も不可もなく普通に食べられる(笑)!
やってみて分かったのが、
”材料の味や香り”と”月桃の香り”の相性で全て左右される
わけだね。
うん、試してみてわかったよ、黒糖と紅芋が最強のムーチーだってことに(笑)!
※白ムーチー(もち粉に何も加えないプレーン味)に砂糖醤油や砂糖を加えたきな粉を付けながら食べるのが一番美味しいかもしれない。